
今回は、2023年7月〜9月にかけてリサーチした最新のB2Bカテゴリ全273枚を対象に、SNS広告でのクリエイティブの訴求とその表現方法のヒントをご紹介します!

まず全273クリエイティブに対して、それぞれのSNS広告クリエイティブから感じた訴求の分析を行い(当社で定義している全12訴求カテゴリ)、さらに5つの消費価値カテゴリに分類しました。
その結果、機能的価値が全体の44%と最も多く、次いで情緒的価値が30.8%、認識的価値が20%、経験的価値が4.8%、社会的価値が0.4%となりました。

さらに全体で最も大きな割合を占める機能的価値の内、機能訴求90%、インセンティブ訴求が10%となりました。次いで全体の30.8%を占める情緒的価値においては共感訴求47.6%、ポジティブ訴求45.2%、ネガティブ訴求6%、権威訴求1.2%が続く結果となりました。
当社が定義する訴求の説明はこちらの記事よりご確認いただくことができます。
今回、B2B業界におけるSNS広告クリエイティブを分析したところ、訴求において下記のような特徴が見えてきました。
・企業の課題解決が目的となるB2B業界においては、個人消費ではなく企業の経済活となるため、コストダウンや売上アップ、いままでになかった新規性のある機能といったわかりやすいベネフィットを伝える必要がある業界と言える。
・B2B業界は日進月歩で新たなソリューションが生まれており、広くオールインワンで解決するというよりは、特定の業種、部署、ニーズに価値を提供するような深いポイントソリューションの割合も多く、広告においてわかりやすく伝えることは難しい業種と言える。
・訴求軸に関して、顕在課題へ訴えかける広告においては、
・複数ある特定機能を伝えるもの
・期間限定のキャンペーンや知りたくなるようなノウハウ資料を訴求するもの
・日々忙しい中での行動を後押しするような情緒へ訴えかけるもの
・広範囲にわたる業務において特定シーンを想起させて自分ごと化を促すようなもの
といった、様々な訴求の活用がみられた。
・また、潜在的な課題に訴えかける広告においては、特定の機能やベネフィットを伝えようとするのではなく、「売上アップの秘密」「ドキッとするようなコピー」によって興味を惹きつけるようなものや、「LINEチャットでの予約調整不要」と従来の手間のかかる対応を省力化できるような期待をもたせる導入から、実際の操作画面を添えて難しく感じるITツールを疑似体験的に訴えかけるようなものがみられた。
・各企業や各担当者によって課題も多種多様、またその認識にも顕在〜潜在のグラデーションがあり、戦略的なターゲット選定と、そこに届ける、伝えるための広告クリエイティブの工夫が必要だと言える。
BtoB (合計273)
・機能120(44.0%):機能108(90%)、インセンティブ12(10%)
・情緒84(30.8%):ポジティブ38(45.2%)、ネガティブ5(6.0%)、
権威1(1.2%)、共感40(47.6%)・認識55(20.0%):好奇心55(100%)
・経験13(4.8%):体験13(100%)、未来0(0%)
・社会1(0.4%):トレンド1(100%)、ステータス0(0%)、イミ0(0%)
※2023年7月〜9月の期間において当社にて収集分類
※訴求の分類方法は、広告情報のみで人が受けた印象をベースに分類
続いて、これらの訴求をどのようにクリエイティブで伝えるのか、具体的な表現方法のヒントをご紹介させていただきます。

・検索窓の活用
B2B商材を導入する際は、競合他社の商品と比較・検討を行うのではないでしょうか。
こちらのクリエイティブは、ユーザーの欲しい機能を検索窓モチーフ内に記載し、またメイン素材もリサーチシーンを使用することによって、ユーザーの検索行動をイメージさせ、商材の特性を伝えています。

・円柱グラフ×コストダウン
商品を導入するメリットがイメージしやすいと、検討視野に入れてもらえることと思います。こちらは、商品導入後のコストカットを立体の円柱を使用して表現しています。また、赤のネガティブ、青のポジティブな印象を活用したカラー使いでコントラストを効かせて、より導入後の差分を強調しています。

・8周年記念×8件に増量キャンペーン
企業の記念に合わせて、販促企画を考えることはないでしょうか。周年の記念日等、頻繁には発生しない企画に対しては、しっかりとインセンティブ情報を伝えて広告に活用したいところです。
こちらは8周年記念ということにより、本来よりも商品機能を多く利用できる企画の広告クリエイティブです。企画のテキストが特に目立つように日の丸構図やテキストのデザインに工夫がされています。また、周年記念の企画ということで、花火のあしらいで賑やかさ、夏らしさ、お祝い感を表現しています。

・本の表紙のようなデザイン
B2B業界においては、資料・ホワイトペーパーのダウンロードを目的としている広告も多いと思います。SNS広告クリエイティブでは、訴求軸やデザインでいかに情報を欲しいと思ってもらえるかが重要です。
こちらは、本の表紙のようなデザインにしたクリエイティブです。方眼紙を用いることで紙を想起させ、また具体的な数字(月収7桁)や「社外秘」など、好奇心の湧くようなコピーを、カラーや見せ方を変えて強調し、まるで本の表紙のように「読んでみたい」と思わせるようなデザインになっています。

・心がおどる動画クリエイティブ
特定の業種やニーズに価値を提供するソリューションを広告で分かりやすく伝えることは難しく、クリエイティブにおいてはいかにポジティブな印象を与えて目にとめてもらうかが重要です。
こちらの動画クリエイティブは、テンポの良い構成と、明るい印象の多彩な配色にすることで商材コンセプトを表現しています。動画部分をポップにしているため、下部のインセンティブ情報はシンプルにすることで動画の邪魔をしないようなデザインにしています。

・矢印でポジティブな印象を
企業にとって、ツールや制度を導入することはハードルが高いでしょう。
こちらのクリエイティブは、制度導入の相談を受けるための広告ですが、まずはその高い導入ハードルに対して、女性の歩き出すイラストや矢印で気持ちを後押しするようなデザインにしています。文字組に関しても「相談」が目立つようコントラストを効かせていて目に留まります。


・桃太郎モチーフのクリエイティブ
こちらのクリエイティブは、桃太郎をモチーフにしたクリエイティブです。
イラスト自体がユニークですし、”仲間を集める”という馴染みのある童話の設定を使うことでユーザーにとってもサービスのイメージがしやすくなるでしょう。

・スポットライト×あるあるシーン
こちらは、業務中のあるあるシーンを見せることで自分ごと化を促しているクリエイティブです。まず、スポットライトの表現を使用していますが、これは視線を集中させたり、ドラマチックでリアルな印象を与える効果があります。ネガティブコピーの強調の仕方も集中線を使用したりコントラストを効かせるなどの工夫をしています。また、コピーの漫画調表現に合わせて素材も机に突っ伏して嘆くコミカルな印象のイラストを使用しています。ユーザーのあるあるシーンを強調し表現することで共感性高いクリエイティブになっています。

・決済承認フローを書類で表現
業務シーンでの悩みを表現するためのテクニックとして、そのシーンを想起させるデザインにすることはよくあると思います。
こちらは、決済承認フローの長さに悩むユーザーに対してのソリューションの広告ですが、その”長さ”を表現するために複数の書類や押印の多さを見せた自分目線のイラストを使用することで具体的なシーンを想起させ自分ごと化を促しています。また、端的に悩みを投げかけるようなコピーを使用することでユーザーの共感性を高めています。

・業務あるあるシーンのクリエイティブ
こちらも業務シーンを切り取った素材を使用したクリエイティブです。
業務中に考えそうな口語コピーを使用し、素材もパソコン画面という業務シーンを使用することで共感性をアップさせています。

・昼間の売上アップをグラフで
売上アップなどの企業にとって分かりやすいベネフィットを伝える広告は多いと思います。それだけでも興味を持つとは思いますが、従来では考えられないような条件下での売上アップとなるとより興味を持ってもらえるでしょう。
こちらは、夜営業が基本のBarにおける昼の売上アップのヒミツを訴求したクリエイティブです。それだけで魅力的なコピーですが、冒頭に「え?!」と感嘆符を交えたコピーを使用することで、ユーザーの興味を誘います。売上アップの表現として積み上げ棒グラフを使用することで伸びの推移も分かりやすいです。昼間の売上に言及したクリエイティブですので、グラフ内の太陽のあしらいや左上のオレンジの丸で「昼」のイメージが強調されています。


・コピーが際立つクリエイティブ
需要に気付かせ好奇心を誘うコピーを考案したら、コピーの配置方法としてはどんな工夫ができるでしょうか。
こちらのクリエイティブは、いずれも寄りの人物素材を使用しています。元々人物素材は視線を集める効果がありますが、寄りにすることでインパクトがあります。これにより表情も分かりやすいです。コピーの配置を顔の近くにすることで、視線にすぐ入りますし、コピーに合った表情との相乗効果で訴求が際立ちます。

・カルーセル × 機能ステップ
カルーセル広告は、多くの商品情報を伝える手段として有効です。
ITツールの導入となると、独自の操作方法や仕様などで躊躇してしまうケースもあると思いますが、こちらのように「LINEチャットでの予約調整不要」と従来の手間のかかる対応を省力化できるような期待をもたせる導入から、カルーセルで一連の操作イメージを見せることでツール使用の疑似体験をさせるような工夫をしています。また、LINEの配色を使うことで使用ツールがLINEということも簡単に想起できます。
今回はB2B業界のSNS広告クリエイティブにおける、訴求の傾向とその表現方法のヒントをご紹介させていただきました
・機能訴求の表現においては、B2B製品の機能性や数値的ベネフィットを、検索窓や円柱グラフを活用した表現例がみられ、図解によって視覚的にわかりやすくすることが一つのテクニックと言える。
・情緒に訴えかけるところでは、業務シーンの悩みや解決課題を、親しみやすくイラストを活用して伝えるようなテクニックも有効と言える。端的な機能だけでなく製品のコンセプト、その革新性を伝えたいケースにおいては、動画を活用することも検討すると良い。その際には、動画のテンポや配色、機能の比喩する表現まで考えられると、スライドショー的な動画ではなく、世界観のある訴求力の強い動画を作ることができるのではないか。
・また、具体的な機能やベネフィットを広告内で伝えるのではなく、興味を持ってもらいその先のランディングページへ遷移してもらうべく、インパクトのある表現や、気になってしまう魅力的なコピーを強調するようなクリエイティブ表現によって好奇心を掻き立てるアプローチもあるのではないか。
・さらに、ITツールのため難しい印象を与えがちではあるが、操作イメージをわかりやすく図で示し、カルーセルや動画などで情報量を持たせて表現するアプローチも検討すると良いのではないか。
いかがでしたでしょうか?B2B業界においてより良い広告クリエイティブを制作する手助けになれば幸いです。
当社では、広告クリエイティブのトライをどこよりも多く行い、より深い訴求と表現の開発、さらなる売上拡大を実現するご支援をしております。
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